THK住宅査定システム

広島良質住宅整備促進協議会を主管するNPO法人住環境デザイン協会が、一般社団法人TOKYO住まいと暮らし(東京)と連携して、“既存の査定方法より合理的に、売主・買主により分かりやすく”というコンセプトの下、共同開発したのが『THK住宅査定システム』です。
THK住宅査定システム開発の背景と経緯
現在木造住宅は、建築時から20ないし25年経つと市場価値はほとんどがゼロ査定評価となり、良質な住宅ストックであっても適正に評価されず、維持管理・リフォームを行うインセンティブが働かない悪循環構造に陥っており、中古住宅の流通を阻害する大きな要因となっています。(下図参照)



これまで既存住宅の査定については、国土交通省の関与の下、「JAREA HAS」や「価格査定マニュアル」が策定され、また民間の査定システムもいくつか作られていますが、一般 に普及しているとは言い難いのが現状です。
そこには様々な要因があると思われますが、最も大きいものは、(買いたい・売りたい)消費者に対する広報活動の不足や、査定現場での活用・説明がなされていないことのようです。 しかし、消費者の意識転換を促し、消費者に寄り添った理解しやすい査定を実施しなければ、いくら良いシステムであっても(実際、システム自体の識者・業界の評価は高い)画餅に帰す可能性は否定できません。 このため、良質な既存住宅を的確・公正に評価・査定し、欧米並み(注参照)に利活用・流通させるためには、真に消費者 に分かりやすい、その対価に消費者が納得するシステムの構築が必要と思われます。

広島良質住宅整備促進協議会を主管するNPO法人住環境デザイン協会は、このような状況に鑑み、一般社団法人TOKYO住まいと暮らし(東京)と連携して、“既存の査定方法より合理的に、売主・買主により分かりやすく”というコンセプトの下、新たな査定システム『THK住宅査定システム』を共同開発しました。

(注)2013年の総務省の統計によると、国内で流通する住宅のうち中古のシェアは約15%で、70%ないし90%に達する欧米と比較して大きな開きがあります。
THK住宅査定システムの 特長
① 的確(T)で標準性(H)を有し、公正(K)な評価・価格を算出
② 実際の契約に基づいた単価を設定し、その単価は毎年見直しを実施
③ リフォーム内容などを適切に価格に反映
④ 住宅の構造ごとに4つのパターン(木造在来、木造4×2、鉄骨造、RC造)に分け、基盤や躯体の現状を正確に提供
⑤ シンプルで、(売りたい・買いたい)消費者の理解を得やすい
適用メリット

売りたい人のメリット
① 適正な価格での売却が可能
② 基礎、躯体などの耐用年数や建物に対する様々な情報を買主に提供できるので信頼性が増し安心感を与えられる(競合物件との差別化が図れる)
③ 取引後のクレーム等のトラブル回避につながる



買いたい人のメリット

① 専門家の調査により物件の詳細情報が把握でき、より安心して購入の判断ができる
② 購入後の維持管理度合いや耐用年数を把握できる
③ 住宅ローン減税・長期間ローンが組める(条件有)



両者共通メリット

査定価格が、従来慣行となっている土地・建物の一括表示ではなく、土地と建物を分けて表示・報告されるので理解しやすい。


このTHK住宅査定システムを使って土地・建物(住宅)の査定を実施する人が住宅査定士です。

※なお、住宅査定士に関わる業務は、2020年4月より、一般社団法人建物評価研究機構(THKK)に移管しています。資格の詳細や認定制度についてはTHKKサイトをご覧ください。